
このまま工場で一生を終えるくらいなら、マジで死んだほうがマシだ。
30代半ば、夜勤明けの朝。俺はそう思った。
中卒。学歴なし。スキルなし。人脈なし。
逃げ場のない人生だった。
工場という名の地獄

俺が働いていたのは、地方の自動車部品工場。
夜勤専属のライン作業員だった。
ラインから流れてくる部品を、ひたすら組み立てる。
右にあるネジを、左に移動させる。
それを1日8000回やる。
マジで頭がおかしくなりそうだった。
機械の「ガシャン、ガシャン」という音が頭に響く。
独特なオイルの悪臭が鼻につく。
蛍光灯の白い光が、24時間変わらない。
時給1000円ちょっと。月の手取り18万円。
ボーナス?そんなもんない。
夜勤は体がキツい。
昼夜逆転で、体調はボロボロ。
30代半ばなのに、50代みたいな疲労感。
腰は痛いし、頭痛は治らないし、常に吐き気がする。
「このままじゃ体が持たない」
本気でそう思った。
でも、辞められなかった。
なぜなら、俺は中卒だったから。
「中卒」という烙印
ある時、工場を辞めようと思って転職サイトに登録した。
「学歴 :中学卒業 」
この項目を入力する度に、心が折れた。
書類選考で落ちまくる。
面接にすら辿り着けない。
「学歴不問」と書いてある求人に応募しても、返事すら来ない。
ハローワークの職員にも、こう言われた。
「中卒だと、正直厳しいですね。警備員とか、ドライバーとか…」
ああ、そうか。
俺の人生は、もうここで決まってるんだ。
工場か、警備員か、ドライバーか。
それ以外の選択肢はない。
60歳まで夜勤をして、年金をもらって、死ぬ。
それが俺の人生なんだ。
休憩室で聞こえてくる同僚の愚痴。
「俺らなんて使い捨てだよな」
「どうせ替えはいくらでもいるし」
「工場で死ぬまで働くんだろうな、俺ら」
マジでそうだと思った。
このままじゃダメだ。
このまま工場で死ぬなんて、絶対に嫌だ。
でも、どうすればいい?
学歴もない、スキルもない、人脈もない。
答えが出ないまま、また夜勤のラインに戻る。
「ガシャン、ガシャン」という機械音だけが響く。
人生が変わった夜勤の休憩時間

ある夜勤の休憩中、俺はスマホを開いた。
別に深い意味はなかった。
ただ、何か稼げる方法はないかと。
「副業 稼ぐ」
そう検索した。
2ちゃんねるの副業スレにたどり着いた。
「アフィリエイトで月30万稼いでる」
「ブログで生活してる」
「ブログって何?」
「アフィリエイトって何?」
これを無我夢中で検索した。
アフィリエイトという名称すら知らんかった(笑)
最初は「嘘だろ」と思った。
でも、読んでいくうちに「もしかしたら」という気持ちが湧いてきた。
パソコンなんてまともに触ったことない。
ブログの作り方もわからない。
でも、工場で一生を終えるよりマシだと思った。
その日から、俺の人生は変わり始めた。

コメント