
俺は「成功者」になった(気分だけ)
30代半ばで月100万円超え。
俺もめでたく「成功者」の仲間入りや!!
工場で時給1000円、月18万円だった俺が、
ブログだけで月100万円以上稼げるようになった。
しかもさらに伸びそうな予感。
「やっと人生が変わった」
そう思った。
それから瞬く間に収入は激増し始めた。
「これがネットのスピード感と爆発力か。」
だから、稼いだ金で色々買った。
フェラーリ…中古だけど、それでも2000万円以上した。
工場の同僚が軽自動車に乗ってる中、
俺はフェラーリ。
優越感があった。
そして100万円以上する時計。
工場の休憩室で、わざと見えるように腕を置いた。
「おお、いい時計してんな」と言われた。
嬉しかった。
海外旅行や旅行にも行けるようになってきた。
殆ど乗らない飛行機でも、LCCの狭い席に座にしか座った事がない俺。
ビジネスクラスなんて全く知らなかった。
ビジネスクラスで、優雅に飛んだ。
「俺は成功者だ」
そう思った。
そして工場仕事も辞めて東京で家賃100万円を超えるマンションを借りる。
初めての経験だった。憧れの高級マンション 大人の俺でさえ走り回れる広さだった。

あの有名な 楽天の三木谷さんの自宅が徒歩圏内の立地、その他にも神木隆之介さんや、森進一さんなどの歌手をはじめ多くの政治家が住んでいる高級住宅街だ。

「成功者に囲まれている」ような錯覚さえ起きていた。
もう今までの人間関係の繋がりは、全て消えた。
しかし何かが足りない。
でも、虚しかった
フェラーリを買った日。
納車されて、運転席に座った。
「やっと手に入れた」
一瞬、嬉しかった。

でも、家に帰る頃には、もう何も感じなくなっていた。
「…あれ?」
高級時計も同じだった。
買った瞬間は嬉しい。
でも、次の日には「ただの時計」だった。
海外旅行も同じ。
ビジネスクラスに乗って、高級ホテルに泊まって、
美味しいものを食べて。
でも、帰国する頃には虚しかった。
そして憧れの高級マンション。
正直言って1週間もすれば、普通のマンションだった。
誰か遊びに来るわけでもなく、ただ広いだけ。
パソコンの前で仕事をする俺にとっては、2LDKあっても1部屋しか使う事がない。
キーボードを叩く音が やけに響く。
それ以外は無音に近い。
「何かが違う」そんな違和感を感じるようになった。
「何のために稼いでるんだろう」
今度は、そう思うようになった。
工場で夜勤をしていた頃、
「稼げるようになったら幸せになれる」
そう信じていた。
でも、違った。
高級マンション、高級車、時計…そしてブランド物、海外旅行…。
毎日のように外食をして食べる食事も
工場の昼休みに食べに行った定食屋で食べる食事の方が美味く感じるほどだった。
全部、一瞬で飽きた。
「全然楽しくないな」
という心の声が、毎日のように聞こえてきた。
失ったもの
気づいたら、友人が離れていた。
工場時代の仲間とは、会わなくなった。
「KEN、最近調子どう?」
そう聞かれても、何を話せばいいのか分からなくなった。
今の生活や愚痴を言うと距離を置かれる。
嫉妬される。
「自慢かよ」と言われる。
だから、何も言えなくなった。
普通の会話ができなくなった。
「最近どう?」
「仕事は?」
「休みの日は何してる?」
そういう普通の会話が、できなくなった。
気づいたら、誰とも話さない日が「普通」になってきた。
スマホの着信が鳴る事もほぼなくなっていた。
部屋にこもって、パソコンに向かって、記事を書く。
売上は伸びる。
でも、孤独だった。
「稼ぐ前の方が、幸せだったんじゃないか?」
そう思うようになった。
俺を導いてくれたTさん。
久しぶりに連絡を取って相談してみた。
[KEN]
「Tさん、稼げるようになったのですが、虚無感がすごいです。
Tさんもこーゆー経験ってあったのですか?」
すぐに返信が来た。
[Tさん]
「お金が全てだぞ 何贅沢言ってるんだ もっと売って稼ぐんだ!」
[KEN]
「いや、マジで虚しいんですよ。何のために稼いでるのか分からなくなってきて…」
[Tさん]
「もっと高額なものを売りさばけば稼げるぞ?コンサルでも始めたらどうだ?1000万円は軽く稼げるんじゃないか?」
[KEN]
「…」
彼は確かに稼ぎ方を教えてくれた。僅か30分の電話で俺は変わった。
でも ここで明確になった事は、
「もう世界が違うな」ということだ。
たしかに彼は「稼ぎ方」を教えてくれた。
それは本当に感謝している。
でも、その後の生き方は学んでない。
Tさんは お金が全てという考え方だが俺は違った。
それが何なのか分からない。でも「お金だけじゃダメだった」
これは紛れもない事実。
何かがおかしい
高級マンションに住んでフェラーリに乗っても高級品を身につけても、海外旅行に行っても、高級店で飲み歩いても、全然幸せじゃなかった。
友人は離れ、普通の会話もできなくなり、
毎日パソコンに向かって、記事を書く。
売上は伸びる。
でも、虚しい。
「このままでいいのか?」
そう思うようになった。
工場で夜勤をしていた頃、
「このままじゃ死ぬ」と思って副業を始めた。でも、成功した今、
また「このままじゃダメだ」と思っている。「何かがおかしい」そう感じた。

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